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つみたてNISA向けインデックスファンドの選び方|失敗しない5つのステップ

新NISAが始まり、

「インデックスファンドを始めたいけど、何を選べばいいかわからない…」

「たくさんある商品の中からどうやって選べばいいの?」

と悩んでいませんか?

この悩みは、投資を始めようとする多くの方が必ず直面する課題です。インデックスファンドは何千本もあり、その中から最適な商品を選ぶのは簡単ではありません。

最近では本やYoutubeで多くの情報が発信されているため情報収集できますが、それでも最後の一歩で決断に迷ってしまう方が多いのが現状です。

この記事では、新NISA対応のインデックスファンドを賢く選ぶためのステップを、初心者でもわかりやすく解説します。具体的には、次の5つのステップで商品を絞り込んでいきます。

  • NISAでの購入可否
  • 本やSNSでおすすめ
  • 信託報酬(実質コスト)
  • 分類・構成銘柄
  • リターン

また、多くの方が気になる債券、新興国、インド、ゴールド、高配当などについても、リスク許容度に応じた選び方のポイントや注意点を後半に解説します。

選ぶ根拠を明確にすれば、膨大な商品の中からあなたに合った投資信託を効率的に絞り込めるようになります。それでは、具体的な選び方を見ていきましょう。

インデックスファンドは何千本もの商品があり、本やYoutubeなどで情報収集してもなお、最終的な決断に悩んでしまう方が多いのが現状です。

しかし、しっかりとした根拠をもとに順序立てて絞っていけば、「これで本当に良いのだろうか」と途中で悩むことなく、最適な商品を選ぶことができます。

それでは、最適な商品を選ぶための5つのステップを説明していきましょう。

インデックスファンドを選ぶ際、最初のステップはNISAの『つみたて投資枠』で購入できる商品に絞ることです。

『つみたて投資枠』対象商品には、次のような特徴があります:

  • 分散投資されている
  • 既に実績を積んだファンド
  • 手数料が安い

これらは金融庁の厳しい条件をクリアした厳選された商品群です。実績のある優良なファンドは、まずこの枠に入っているため、ここから選んでいくことをおすすめします。

ただ必ずNISA口座で購入することを薦めているではなく、特定口座で購入しても問題ありません。優良ファンドを選ぶ条件として活用するだけです。

NISAの『つみたて投資枠』で購入できる商品は金融庁の厳しい条件をクリアし、厳選された商品群です。実績がある優良なファンドは、まずこの枠に入っていますのでここから選んで行きます。

具体的な絞り込み方法

  • SBI証券:『銘柄検索・取扱い一覧』を使用
  • 楽天証券:『投信スーパーサーチ』を使用

各証券会社のサーチ画面で『(NISA)つみたて投資枠』にチェックを入れれば絞り込んでくれます。

『つみたて投資枠』を選ぶメリット

  • 商品数が少なく、絞り込みやすい
  • 対象商品は『成長投資枠』でも購入可能

ただし、『つみたて投資枠』だけでまだ約250個のファンドが残ります。そこで次のステップでは、SNS(ネット)でのおすすめ商品を参考にしながら、さらに絞り込んでいきます。

『つみたて投資枠』商品の注意点

新NISAの開始に伴い、続々と新商品が登場しています。そのため『つみたて投資枠』への採用審査が間に合っていない商品もあります。どうしてもその商品を購入したい場合は、『成長投資枠』で購入を検討しましょう。

なおNISA制度について確認したい方は、以下の金融庁の特設サイトをご覧ください。

次のステップとして、多くの投資家が実際に購入している人気商品を調査します。

投資の世界では先人の知恵を活用するのが賢明です。特に初めての方は、多くの投資家が選んでいる実績のある商品から始めることで、リスクを抑えることができます。

調べ方は大きく3つ

  1. インターネット検索
    • 『つみたて投資枠』『人気』『ランキング』などのキーワードで検索
    • 投資系ブログやSNSでの評価をチェック
  2. 証券会社の人気ランキング
    • 各社が公開している売れ筋ランキング
    • 運用実績の高評価商品リスト
  3. 投資の入門書
    • 著名な投資家のおすすめ商品
    • 初心者向けの解説本での紹介商品

この段階では、厳密な絞り込みは必要ありません。上位20位程度の商品をざっと確認し、どのような商品が支持されているのか、全体の傾向を把握することが目的です。

人気商品を調べる際のポイント

  • 複数の情報源で紹介されている商品は要チェック
  • 長期間人気を維持している商品は信頼度が高い
  • 初心者向けと明記されている商品に注目
  • 人気商品の特徴(手数料、運用方針など)をメモしておく
証券会社のランキングを見る際の注意点

人気がある商品でもその証券会社で扱っていなければ、ランキングに出てきません。

例えば『SBI』と名の付く商品は楽天証券では出てこない場合があり、またその逆もあります。

ご自身が利用している証券会社で扱われている商品かどうかも選定の重要なポイントとなります。

このステップで見つけた人気商品は、次のステップである「信託報酬」の確認の際の候補として活用していきます。

利回りが先じゃないの?!

「まずは利回りを見るべきでは?」と思われるかもしれません。しかし、3つ目のステップでは信託報酬(手数料)に注目します。その理由は、手数料の高い商品を除外することで、一気に選択肢を減らせるからです。

目安として0.3%以下の商品に絞ることがおすすめです。

0.3%を超える商品でも魅力的なものがあれば、そのときは別で調査します。

この基準で絞ることにより、手数料の高いアクティブファンドを自然と除外できます。

著名な経済評論家である山崎元さんに言わせると「信託報酬が0.5%を超える運用商品はゴミ」だそうです。

ここで信託報酬やその他のコストについて簡単に触れておきます。

安いコストは自信と人気度

信託報酬が安い商品の特徴として

  • 運用会社の自信の表れ
  • 人気が高く、多くの投資家に支持されている

信託報酬とは投資信託の運用や管理にかかる費用のことです。私たち購入者が負担する手数料であり、年率で表示されます。保有している投資信託の総額から毎日日割りで差し引かれていきます。

信託報酬を低く抑えることは、運用会社の利益を減らすことになります。それでも低く設定するのは、より多くの投資家に選んでもらいたいという運用会社の強い意志があるからです。実際、信託報酬の安い商品は人気が高い傾向にあります。

リターンに影響する手数料

信託報酬などの手数料(コスト)はリターンに影響します。たとえば投資額100万円の場合

  • 信託報酬 1%なら年間手数料は1万円
  • 信託報酬 0.1%なら年間手数料は千円

長期の複利運用では、この手数料の差が大きく影響します。そのため、できるだけ信託報酬の安い商品を選ぶことが、長期的な資産形成には重要です。

長期になればなるほど複利の効果が働き、その差は大きく広がっていきます。

信託報酬だけではない隠れコスト

信託報酬だけが手数料ではありません。他にも様々な隠れコストが存在します。これら全て含めた総額を実質コストと呼びます。

例でいうと、今話題のeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)では信託報酬が0.05775%ですが、実質コストは0.113%(2024年12月時点)となります。

最初の絞り込みは信託報酬で行い、最終判断は実質コストで行うようにしましょう。

このように手数料の観点から商品を絞り込むことで、長期投資に適した商品を選択できます。実質コストについて詳しく知りたい方は、「しんたろうのお金のはなし」さんの記事が参考になりますので、ご確認ください。

インデックスファンドを投資対象によって大別すると、おおよそ次の分類となります:

  • 株式(国内/国際)
  • 債券(国内/国際)
  • REIT(国内/国際)

ここでご自身が気になる銘柄を選択します。リターンを追求したいのであればリスクは高めですが『新興国』を選択したり、リスクを抑えるたいならリターンが小さくなりますが『債券』を選択するなど、注目している商品を選択します。

この記事の後半で、よく話題になる銘柄について簡単に説明しますので、そちらも参考にしてください。

前のステップで「SNSで人気」や「信託報酬」で絞り込むと、多くの場合『国内/国際株式』が残ります。

国際株式の中でも、特に注目度が高いのは『オールカントリ(全世界)』『S&P500』の2つです。その人気に続くのが『全米』『先進国』『新興国』などの銘柄です。

『オールカントリ』は、その名の通り世界中の企業に投資できる商品です。そのときの経済状況によりバランスを取り、分散投資効果が高いため、多くの投資家から支持されています。

『S&P500』は長年にわたり「迷ったらこれを買え」と言われ続けている定番商品です。時折「もう古い」という指摘を受けることもありますが、その実力は衰えることなく、今も優良商品の代表格として多くの投資家から支持されています。

特に初心者の方には、まずこの2つの商品を軸に検討することをおすすめします。世界経済の成長を取り込める商品として、長期投資の基本となる選択肢だからです。

次のステップでは、これらの商品の中から、実際のリターン(収益率)を確認して、最終的な選択をしていきましょう。

前のステップまでで候補は絞られているので、最後にリターン(利回り)を確認して最終判断を行います。ここでは、納得できる水準のリターンを出している商品を選びましょう。

リターンを見る際の重要なポイント:

  • 複数の期間(1年/3年/5年/10年)でバランス良く確認する
  • 安定した高水準のリターンを重視する

過去1年や5年だけのリターンではなく、複数の期間を確認することをおすすめする理由があります。それはリスクの高い商品を避けるためです。リスクとは、価格の振れ幅の大きさを指します。

リターンは確かに高い方が魅力的です。しかし、極端に高いリターンには注意が必要です。大きなプラスとマイナスを繰り返している可能性があるからです。

長期投資で重要なのは、突出したリターンではなく安定した収益です。そのため、複数の期間で安定したリターンを出している商品を選ぶことが、賢明な判断となります。

実際リターンの数値については、先に挙げた『オールカントリ(全世界)』『S&P500』の2つを基準に比較するとわかりやすいです。

多くの方がリターンを重視して商品を選びがちです。しかし、ここまでのステップで説明した選定基準に、既にリターンに関係する重要な要素がいくつも含まれています。

リターンだけで判断すると大きな失敗につながる可能性があるため、各ステップの基準を総合的に判断することが重要です。

このステップで最終的な商品を決定したら、実際の購入を検討しましょう。長期投資で成功するには、一時的な相場の変動に一喜一憂せず、安定した商品で継続的に投資を続けることが大切です。

インデックスファンドといっても、様々な投資対象が話題になっています。ただ新NISAの「つみたて」投資枠ですべて選べるわけではなく、購入できる商品は限られています。

ここでは注目商品の特徴と、NISAでの購入方法について説明します。

話題の商品
  • 高配当株インデックス
  • 債券インデックス
  • インド株式
  • 新興国株式
  • ゴールドETF
  • アクティブファンド

高配当株は安定した配当収入が期待できる魅力的な投資対象です。ただしNISAの「つみたて」投資枠では選択肢が限られるため、「成長」投資枠での購入を検討しましょう。

なお注意すべき点が2つあります。

  1. 配当受け取りによる複利効果の減少
  2. 海外商品の場合の外国税負担

このようにNISAの特徴である「長期複利運用」と「非課税」のメリットを十分に活かしきれない可能性があります。

債券は株式に比べて価格変動が小さく、安定性を重視する投資家に人気です。ただしNISAで債券を購入する場合、以下の注意点があります。

  1. NISAでは直接、債券を購入できない
  2. 「つみたて」投資枠で購入できる債券インデックスファンドがとても少ない

これはNISAの目的である分散・長期投資に最適な商品として、株式を重視しているためと考えられます。

国内外の債券インデックスファンドを組み入れたい場合は、「成長」投資枠での購入を検討しましょう。

若者の人口増加と高い経済成長率から注目を集めるインド市場です。将来、市場規模が拡大するとして期待され、株式も順調に成長を続けています。ただし、政治リスクや為替変動リスクが大きいことにも注意が必要です。

「つみたて」投資枠で購入できる商品は、ごく少数です。インド株への投資は「成長」投資枠を活用しましょう。

注意する点は、新興国特有のリスクが存在するため、長期に安定的に成長するかは悩ましいところです。購入する場合は、リスクを考慮した配分とすることが重要です。

インドと同様に高い経済成長率が期待できる新興国市場です。「つみたて」投資枠においても商品を購入できます。

ただ政治的な不安定さや急激な為替変動により、短期的には大きな値動きが起こりやすいという新興国特有のリスクがあります。つまりハイリスク・ハイリターンの商品です。

自身のリスク許容度をしっかり設定し、リスクに応じた数量を購入することが重要となります。

インフレヘッジや資産防衛として注目されるゴールドです。株式と逆相関があると言われ、株価暴落時の資産減少を防ぐ役割を果たします。ただし配当や利息がなく、価格変動だけが収益源となることに注意が必要です。

「つみたて」投資枠では購入できません。ゴールドETFへの投資は「成長」投資枠を使用する必要があります。

運用者の判断で銘柄を選別するアクティブファンドは、「つみたて」投資枠では原則として購入できません。アクティブ運用を希望する場合は「成長」投資枠を活用しましょう。

アクティブファンドは一般的にインデックスファンドと比べ、手数料が高く、リターンの勝率も低い商品です。どうしても購入したい場合は、しっかりとした調査を行ってから購入するようにしましょう。

NISAの賢い使い分け

最後にNISAを効率良く活用するため、投資枠の使い分けポイントを整理しておきます。

  1. 「つみたて」投資枠:
    • 手数料が安く、長期投資に適した基本的なインデックスファンド
    • 全世界株式や先進国株式など、分散の効いた商品
  2. 「成長」投資枠:
    • より幅広い投資対象を狙う
    • 特定の地域や資産に特化した商品
    • ETFやアクティブファンド

初めての資産形成は「つみたて」投資枠の商品で行い、投資経験や知識が増えてきた段階で、自身のリスク許容度を見極めながら、徐々に「成長」投資枠での商品を検討していくことをおすすめします。

なお「つみたて」投資枠で購入できる商品は、「成長」投資枠でも購入可能です。投資額に余裕がある方は、「成長」投資枠で追加購入したり、積立てではなく一括購入することも可能です。

インデックスファンドの選び方を、5つのステップで解説してきました。何千本もある商品の中から、次の順で絞り込むことで、自分に合った商品を見つけることができます。

5つの選び方のポイント

  • NISAの「つみたて」投資枠から選ぶ
  • 本やSNSで人気の商品を確認
  • 信託報酬0.3%以下を目安に絞る
  • 分類・構成銘柄で選ぶ
  • 希望のリターンを確認

必ずしもこのステップ順に選ぶ必要はありません。たとえば①と②を繰返してみたり、気になる商品があれば該当する項目に戻って確認するなど、試してみてください。

最後に、インデックスファンド投資で成功するための3つの重要ポイントを挙げます。

  1. 長期投資で差がつく手数料を安く抑える
  2. 自分のリスク許容度にあった商品選択
  3. 長期的な成長や運用を意識する

投資商品の選択は、いつになっても悩ましい課題です。しかし、この記事で解説したステップに従えば、誰でもしっかりした根拠を持って商品を選ぶことができます。

個人の資産形成に合わせて、無理のない最適な商品を探し当てましょう。