「将来のために投資を始めたい」
そう思いながらも、なかなか一歩を踏み出せない方は多いのではないでしょうか。資産形成の重要性を感じつつも、どこから情報を集めれば良いのか、悩む日々が続きます。
実は、投資を始められないのには、多くの人に共通する理由があります。「何から始めれば良いかわからない」「情報が多すぎる」「時間がない」など、誰もが経験する疑問や課題が存在するのです。
本記事では、投資初心者が直面する10の悩みを具体的に取り上げ、その課題との向き合い方や、解決方法をわかりやすく解説していきます。投資の基礎知識から実践的なアドバイスまで、理解を深められる内容となっています。
ここで紹介する内容は、投資を実践しながら学んでいこうというスタンスです。そのため、リスクを抑えながら少しずつ理解を深めていく方法を主体にしています。少額から始められる投資方法や、時間をかけずにできる資産運用のコツもご紹介します。
投資に対する漠然とした不安を解消し、自分に合った投資方法を見つけましょう。
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投資を始められない10個の理由
- 基礎知識の学習
- 情報過多と商品選択の難しさ
- 最低必要資金とリターンの誤解
- 元本割れリスクの恐怖
- 詐欺や悪徳な投資話への警戒
- 周囲への反対や噂
- 手続きの煩雑さ(はんざつさ)
- 時間的余裕の無さ
- 先延ばし習慣
- 具体的な目的の不在
①基礎知識の学習
投資に限らず何かを始めようとすると、その分野の知識が必要になります。そこで悩むのが、
「始めよう」という気持ちが固まり、行動に移すときの最初の壁です。始めるからにはあまり時間をかけずに効率良く始めたいという焦りもあります。
まずは何となくで良いので、自分にどんな投資が向いているか探し出すことが大切です。よろしければ以下を参考にしてみてください。
投資となると専門用語が多いため、読んだり聞いたりしてもなかなか頭に入らず、やる気が損なわれる恐れがあります。
初めてのことなので、わからないのは当然です。まずはテレビやYoutubeなどを流し見して、わからないことは飛ばしながら進めていきましょう。
重要な単語は繰り返し出てくるので、見ているうち覚えます。無駄なく覚えることができますし、どうしてもわからない言葉は後から調べれば充分です。
②情報過多と商品選択の難しさ
投資の種類もそうですが、それに関する説明や意見もたくさん出てきます。
情報があり過ぎて、自分に合う投資情報に一発で辿りつくことは稀です。なので最初は少し我慢が必要かもしれません。
ただざっと見ていくうちに、多数意見や同じ傾向の情報がわかってきます。まずは大きな範囲で傾向を掴んでいきましょう。
商品も多過ぎて何から調べ始めればよいか悩んでしまいます。このブログでは初心者の方に次の内容を紹介しています。SNSでもよく取り上げられるバランスの取れた投資法です。
これをすぐにやろうという意図ではなく、例えばこれに似た商品から探していけば、自分に合ったものが見つけやすくなるかもという提案です。
③最低必要資金とリターンの誤解
投資を始めたいけど投資に回すお金がない。。。と諦めてしまいがちです。
投資によっては確かに大きな資金が必要な商品も存在します。
ただ最近話題のNISAで購入する投資信託という商品は、最低購入単価が100円です。手数料も消費税も必要なく100円で購入できます。
例えば年率7%の投資信託を購入したとします。(年率7%以上の商品はそれなりに存在します)
この投資信託を100円購入しても、1年後には107円にしかならず7円の儲けしかない、だからヤル気がしないという意見があるかもしれません。
ただこのままの年率で10年経過すると、この商品は200円となります。初めの投資資金の2倍です。これが複利効果です。
複利効果を実感してもらうため、下のグラフは参考ですが毎月1万円を積立したときの資産変化を示したものです。
出典:All About「複利の力は偉大!コツコツ投資でリッチをめざそう」
投資に重要なのは『量×時間』と言われます。量を少しでも増やしつつ時間を掛ければ、最後にはとても大きくなります。
④元本割れリスクの恐怖
せっかく稼いだお金を投資で減らしたくないと誰もが思うところです。
投資はギャンブルという意見がよく囁かれますが、確かに全くないかと言われると否定はできません。ただ人生でも進路を選ぶ場合に、ギャンブルの要素がないかと言われると、全く無いとは言い切れません。それと同じことです。
投資を簡単に言うと事業や企業支援です。事業を成功させたり、企業が発展していくために資金を提供します。株式を購入すれば、その企業の株主つまりはオーナー(所有者)です。
資金提供に失敗するリスクはありますが、逆に成功すれば、リスクを分かち合った見返りとして利益が分配されます。
100万円の貯金があった場合、使わなければずっと100万円が残るので安心されますが、それは数字上の話だけです。実はインフレ(物価上昇)によってその価値は下がっていきます。
一方、経済は常に発展し、その価値を高めています。ただし2007年の世界金融危機(リーマンショック)のように資産が約半分(50%減少)となるケースもあります。下のグラフは1925年を100とした米国株式の推移です。
このグラフは縦軸が対数目盛(1目盛りが✕10)となっています。一時的に-50%も下がると平常心ではいられませんが、長期(全体)で見るとグラフのように少しのへこみ(凹)にしか見えません。
投資とはリスクを取りながらも、資産を経済成長の流れに載せ、増やす手法です。一時的な下落に耐えながらも、自分の資産を経済の波に乗せるか否かの分かれ道となります。
⑤詐欺や悪質な投資話への警戒
お金があるところには必ず不正を行う輩(やから)が存在します。
「必ず儲かる」や「あなただけに教える」は、ほぼ詐欺です。また向こうから近づいてくるものや、個人間での金銭受け渡し、知人からの紹介なども、ほぼ詐欺と疑っておきましょう。
真っ当な投資も多くありますが、それ以上に悪質なものが多く存在します。わからないものや理解できないものには手を出さず、投資を始める場合も無理のない資金で行うことが重要です。
信用度が高いと噂される商品でも詐欺に近い被害を被ることがあります。まずは金融庁が推奨するNISAや国債(先進国)といった投資商品から少額で始めるというのも1つの手です。
⑥周囲の反対や噂
日頃から身近な家族や友人に意見を求めることは大切です。しかし投資に限ってはどうでしょう?
親から「投資だけには手を出すな」や友人から「投資は危険」と言われたが、詳しく話を聞いてみると実は投資未経験者だったというのはよく聞くネタです。また評論家でも「私はやらない」と批判ばかりを繰り返す方もいます。
なんでもそうですが、経験者・未経験者の両者から意見を聞くことが大切です。聞いていればそのうち、根拠に乏しい意見はすぐにわかります。
身近に相談できる経験者がいないというのは、本当によくある話です。またお金に関わる話なので、経験者が身を潜めるというのも分からないではないです。
X(ツイッター)やFacebookなどのSNSに色々な情報が発信されています。またYoutubeでも意見交換できますので、それらを活用しましょう。
⑦手続きの煩雑さ(はんざつさ)
投資を始めるには必ず準備が必要です。
多くの場合は証券会社に口座を開設すれば投資を始められます。確かに手間ですが比較的簡単に手続きできます。わからないところも調べればすぐに出てきますので、あまり深く考え過ぎないことが大事です。
一般口座ではなく特定口座を選べば、利益を確定しても自動で税金が引かれ、確定申告の手間はかかりません。
最近では紙に書いて手続きすることは、まずありません。ほとんどがネット上で行われ、パソコンが無くてもスマホで簡単に取引ができます。
商品を売る側も客商売ですから、手続きや取引方法もできるだけわかりやすく改善し、日々使いやすく進化しています。
⑧時間的余裕の無さ
時間を作ろうにも仕事や子育て、プライベートでなかなか余裕ができません。
投資の種類にもよりますが、始めるにはやはりそれなりの準備と時間が必要です。ただし始めてしまえば、その後はほとんど時間に縛られない投資も存在します。
特にこれから投資を始める方は、自分に合った投資に辿り着くまで繰返し見直しが必要かもしれません。最初は購入時の自動積立設定などを活用し、時間を掛けず効率的に行うのがおすすめです。
投資を始めると以下のような症状が、必ず現れます。
- 値動きが気になって他の事が手に付かない
- 投資関連の情報から目が離せない
日常生活が忙しいくらいの方が、投資をするにあたっては丁度良いかもしれません。
⑨先延ばし習慣
始めるタイミングって難しいです。またダイエットや勉強にチャレンジしても三日坊主に。
なにかにつけて後回しにしたくなるのは誰しもそうです。ただ先にも説明したように投資では次の2つが重要となります。
- 『量✕時間』
- 最初の準備
最初の準備さえできてしまえば、たとえ三日坊主でも充分スタートを切れます。
多くの著名人が「相場を予想することは誰にもできない」と言っています。タイミングを計ることに何の意味もありません。
金融のプロであるニック・マジューリさんの言葉に「ほとんどの市場は、ほとんどの期間、上昇している。」というのがあります。いかに早く流れに乗るかがカギであることを意味しています。
タイミングを計らず、今これからの時間を大切にしましょう。
⑩具体的な目的の不在
誰しもお金は欲しいけど、お金を得る手段は人それぞれです。
目的や理由がはっきりしないとチャレンジ精神は高ぶりません。また知人に勧められたからや、話題になっているからという理由で始めると、損したとき周りに責任を押し付けてしまいがちです。
無理に始める必要はありません。しっかりした自分の意志で行動することが大切です。
生活が充実していて、そこまでお金にこだわっていない方もおられます。『やらない』というのも1つの選択肢です。
検討する際の注意事項
既に説明した内容もありますが、改めて注意事項を簡単に整理します。
情報が正しいとは限らない
ネットや SNS には誤った投資情報が溢れています。別のブログでも紹介していますが、政府の公式サイトでさえも誤った情報が見られます。
間違いは仕方のないことです。対策としては複数の情報源から情報を入手し、あくまで参考という気持ちで活用しましょう。
無理のない投資額の設定
始めてやることには失敗がつきものです。即退場だけは避けなければなりません。無理のない範囲で始めましょう。目安としては価値が半分になっても、売らずに耐えられる金額です。
投資目的の明確化
目的がはっきりしていないと、ときにギャンブル的な行為に走ってしまいます。目標金額や期間など大まかでも良いので決めておきましょう。
分散投資の重要性
「卵は1つのカゴに盛るな」
どんなに信用度が高い商品でも失敗しないとは限りません。1つくらいは失敗しても大丈夫!という組合せを構築しましょう。
感情的な判断を避ける
どうしても直近の情報に心を奪われ、何かしら行動したくなります。そういうときは年単位などの長期チャート(値動きグラフ)を見ることをお奨めします。長い目線で見れば、見方も変わってきます。
まとめ
投資に興味を持っても、始めるまでには色々な壁にぶつかります。それは、お金に関わることなので仕方がありません。
始めるにあたって特に重要なことをまとめると以下の4つです。
- 自分に合った投資を選ぶ
- 詐欺を疑う
- しっかりした目標をもつ
- 無理をしない
将来に向けて何かに挑戦することは素晴らしいことです。また『やらない』というのも重要な選択肢の1つです。
豊かな未来を築くため、自分のライフスタイルに合わせて選択していきましょう。