節約をしたり、副収入の方法を考えたりと、少しでも自由になるお金を増やしたいという方は多いのではないでしょうか。
であれば、やっておきたい3つの制度に、ふるさと納税、iDeCo、新NISAがあります。
今回はその1つ、『iDeCo』について解説したいと思います。
また別の記事にて残りの2つも紹介していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
iDeCoについて話を持ち掛けると、よくこんな意見を聞きます。

60歳まで使えないのは困る

お得なのかもしれないけど、
面倒なんでやらない
始める前に、これらの点を理解することがとても重要です。
またよく似た制度に『NISA』という制度もありますので、やるにしてもどちらを選択するか迷うところです。
ここで突然ですが筆者が最もおススメしたいことは、初心者でも資産を増やせる『インデックス投資』を行うということです。
これを行うにあたって、欠かせないお得な制度がiDeCoやNISAになります。
iDeCoは税金の優遇があり、更にインデックス投資でお金も増やせるお得な制度です。
利用できる方は、生活スタイル/環境に合わせて活用することをおススメします。
この制度について要点を説明していきますので、始めようか迷っている方や既に始めているけど復習したい方などは参考にしていって下さい。
また厚生労働省のiDeCoに関するリンクも貼っておきますので、合わせて参考にして下さい。
iDeCoとNISAの違い
似ているようで違う制度であるiDeCoとNISAですが、どちらをやるべきが迷うところです。
違いを見てみましょう。
iDeCo | NISA | |
---|---|---|
受取開始時期 | 原則60歳 | いつでも引出し可 |
最低運用期間 | 10年 | 制限なし |
税優遇対象 | 掛金拠出時、運用益、受取時 | 運用益 |
購入方法 | 毎月積立 | 毎月積立、一括 |
最小掛金 | 5000円 | 100円 |
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは
iDeCoの仕組み
iDeCoの仕組みを簡単に言えば、老後に備え投資をする制度です。
若い方は60歳以降の老後資金と言われてもピンと来ないと思うので、この制度は見送り、NISAで良いと思います。
40歳前後の老後を意識し出したくらいで始めるくらいが、ちょうど良いかもしれません。
もちろん「使える節約術は全て使う」という方は、年齢に関係なくガンガンいっちゃいましょう。
おすすめの理由
iDeCoとは毎月決まった額で投資商品を購入し、運用した利益で老後の備えをするという積立制度です。
積立てたお金は原則60歳になるまで引き出せません。これがこの制度の最大のネックです。
でも考え方によっては、税制面ではかなりお得な制度です。
- 毎月のお給料から差っ引かれる税金が少なくなる
- 利益にも税金が掛からない
- お金の運用は全自動、寝てる間も働いてくれる
お得の詰め合わせです。
なので「気になる老後資金はiDeCoで準備して、残りのお金は全部使っちゃえ!」って割り切ると、日々を遠慮なく楽しめます。
あと会社でほぼ半強制的に入っている企業型拠出年金も似たような制度なので、この記事で触れる内容が参考になるかもしれません。
メリット、デメリット
既に一部取り上げましたが、改めてメリット、デメリットです。
- 収入のうち運用掛金分に税金がかからない
- 運用益に税金が掛からない
- 受取りは「一時金」か「年金」で受取れ、一定額まで税金が掛からない
(一定額 非課税)
- 原則60歳まで受取れない
- 金融機関を開設しなければいけない
- 毎月手数料が数百円程度かかる場合がある(→金融機関の選定で節約可能)
- 運用により掛金を下回る可能性がある
通常、給与収入の所得税はその額によって税率が5%、・・・20%、・・・最大45%と上がり、税金が取られます。
また運用益ではその利益に対して一律20%が引かれます。
利率6%で積立運用できれば、10年後には掛金の1.5倍の資産になります。通常はその利益の5分の1が税金となります。
こんなに取られてしまう税金ですが、iDeCoにより「給与収入の所得税のほんの一部」と「運用益の20%」が手元に残るのです。
実際 iDeCoを使ってみよう
iDeCoを利用するまでの流れ
- 自分がiDeCoに加入条件を満たしているか確認する。サラリーマンは会社でマッチング拠出を利用していないことを確認する。(企業型確定拠出年金制度を利用していても、マッチング拠出をしていなければiDeCoを利用できます)
- 運用する金融機関を決め、iDeCo専用の資料を請求する。(おススメはSBI証券、楽天カード所持なら楽天証券でも)
- 必要書類を記入し、金融機関へ返送する。
- 数週間して金融機関から承認連絡がメール等で届いたら、金融機関のホームページにアクセスする。
- 購入したい商品を選択し、金額を設定する。
- あとはほったらかしで寝て待つ。
ちょこっとコツ
企業型確定拠出年金でも同じことが言えますが、利益率が非常に低い元本保証商品を選択しないことです。
買いたい商品がすぐに思い浮かばないという方には、次の項目を全て満たす商品をおススメします。
- インデックス投資信託(アクティブ投資ではないもの)
- 信託報酬が低い商品(0.3%未満)
- 米国株式(”S&P500″、”全米株”)か、全世界株式(”オールカントリ”、”先進国”)という名称が入った商品
- リスクを抑えたいという方は、株式でなく債券を選択(基本は株式がおススメ)

新NISAをやれば、iDeCoはやる必要がないんじゃないの?
確かに新NISAは破格の制度ですが、iDeCoでは収入にかかる税金が減額され、手持ちの資金が増えるという点で見逃せない制度です。
老後資金のためにiDeCo、余った資金で、自由に引き出せるNISAを活用するというように、併用するやり方もあります。
iDeCoとNISAはそれぞれ異なるメリットがありますので、自分のライフスタイルに合わせて使い分けましょう。
資産運用は、複利の力とリスク回避(ドルコスト法など)を最大限活用するため、長期/積立で運用することが有効ということも念頭に入れておきましょう。
知っておいた方が良い注意点
ここに注意
- iDeCoには加入条件があり、何らか免除を受けている場合、加入できないケースがある
- 会社で企業型確定拠出年金に加入していると、掛金に制限がある。
- 元本保証などリターンが少ない商品の運用は、やる価値がない。(手数料でマイナスになることもある)
- 最短加入期間は原則10年のため、50歳を超えて加入すると受給年齢が最大65歳まで延長される。
またiDeCoについては次のような指摘もありますので、参考に載せておきます。
まとめ
節税面でとても優れた制度のiDeCoですが、破格の改善が行われた新NISAと比べるとやはり見劣りしてしまいます。
また長期運用でその凄さを発揮するとは分かっていても、社会人になっていきなり「老後のことを考えよう」と言われても悲しくなってしまいます。
なので絶対やってとは言えませんが、やはり、おすすめはおススメです。
余裕資金がある方や、少し頑張ればその資金が準備できる方は、少額からでも始めることを検討してみてください。
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